西のくぼみから抜け出せないっ!

横浜の女(仮)です

暗闇の君へ – 溺れるナイフ最後の備忘録

映画「溺れるナイフ」が公開されたあの日から、円盤が発売される今日のこの日まで、書きたくても書けなかったおはなし。何度も何度も「書こう」と思ったおはなし。やっと、書けるときが来たおはなし。

 
ちゃんともう一度、この目で見てから書きたかったので、拙い文章ではありますが備忘録として残します。
 
暗闇の君に向けて、太陽のような君に向けて。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
公開が迫った秋頃、わたしは原作を読みました。
 
 
ああ〜〜〜〜どう考えても大友といたほうが幸せじゃん……!!!
 
 
報われない、幸せになれない、そんな大友がいたたまれなくて、だけどそんな大友を大好きな彼が演じたんだと思うと、もうすごく楽しみで、心ここに在らずという感じで。
 
だから公開初日、はじめて「溺れるナイフ」を目にして、こんなにも空虚な気持ちになるものかと驚いたものです。
 
もちろん、すごく良い意味で。
 
良い意味で、心にぽっかり穴が空いたような感覚になりました。
 
 
このあと大友は都内の大学に合格して、浮雲を後にするんだよな…
 
ふと原作のラストシーンを思い出して、幸せそうに笑う大友を思い浮かべて、なんとか気持ちを立て直しました。
 
 
 
 
 
どうしても
 
どうしても
 
 
彼には幸せになってほしい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
大友が「大友勝利」としてはじめてクローズアップされる、あづまやでのシーン。
 
「スケベじゃ!」「お前の母ちゃん綺麗じゃのう」「顔が好み!」
 
 
大友の人の良さ、優しさ、包み込む力。
 
原作そのままの雰囲気をまとった彼が、そこに”大友”として堂々と立っている奇跡。
 
痛々しいほどに刺激的な画が続くこの作品の中で、唯一心を休ませることができるのが大友の登場シーンです。
 
 
 
 
 
 
 
夏芽とコウの壮絶な夏を超えて、彼らはみんな少し大人になります。
 
 
「大友、眉毛整えるようになったんだ」
 
 
 
彼の変化に気づく夏芽。
 
だけど大友の心のうちは、何も変わっていなくて。
 
 
 
孤立した彼女を、優しく、大友らしく、そっと包み込んであげるように、その手をとってすくうかのように。
 
コレ、並大抵の女子なら完全にオチるよなぁ〜〜!!!!って、悶々としてました。
 
だけど夏芽ちゃんの心には、今もなお、コウちゃんがいるから。
 
それすらも分かってしまっている大友は、それはそれは緩やかに、静かに心を近づけていくことしかしません。
 
椿の味を教える。ただそれだけ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
すごく複雑なタイミングで、再会を果たす夏芽とコウちゃん。
 
全身ずぶ濡れになって帰ってきた彼女を包み込むのは、やっぱり大友です。お前またいいタイミングで家にいたな〜〜!(小声)
 
 
みんなが恋に落ちたあのバッティングセンターのシーンでも、彼はただひたすらに、その温かな優しさで彼女を包み込みます。
 
 
アイス、好きなもの、夢、バット。
 
 
夏芽ちゃんの楽しそうな笑顔が嬉しくて嬉しくて、見えない柔らかな空気感が本当に素敵で。
 
 
だから、迷いながらも薬指だけ真っ赤に染まっている彼女の足を見て、強火大友担は心密かにガッツポーズをしました。
 
 
 
 
椿の味を知った彼女が、優しさに手を伸ばそうとするその瞬間。
 
 
いくら眉毛を整えてもTシャツのセンスは今ひとつで、風邪で寝込んでるというのに持ってくるのは謎のCD。
 
そんな彼が繰り出した、彼だからこそのタイミングでのキス。
 
 
想像以上に、綺麗でした。
 
 
ただただ彼女を「守ってあげたい」その一心。
 
大友にしては少し大胆な、だけど、それでいてすごくまっすぐで優しいキス。
 
ああ、こんな風に愛されたらすごく幸せなんだろうなぁ
 
そんな風に思わせてくれる大友の無邪気な笑顔に、夏芽も私たちも、つかの間の幸せを感じます。
 
 
 
 
 
 
 
ここから先はもう、正直辛くて辛くて仕方なかったです。
 
 
 
彼との別れは必然であったわけで、それは広能さんの言葉からも感じ取れるわけで。
 
 
 
だけど、大友が本当の心の内を見せてくれるのは、唯一あのカラオケシーンだけなのです。
 
 
愛しくて守りたくてずっとそばにいてほしい彼女からの、突然のお別れ。
 
いや、突然ではなかったのかもしれません。
 
なんとなく彼女の背景にはコウの姿が見えていたのかもしれない。
 
だけど大友のことだから、きっと、きっと大丈夫だと、彼女を信じていたのではないかと。
 
だから「別れよう」と言われた時、目も合わせられずに「ん?」とか細い声しか出せなかったのではないかと。
 
 
 
 
 
 
 
切ないです切なすぎます泣けます号泣です。
 
 
 
 
 
彼女の存在を確かめるように両手で彼女に触れて、じっと目を見て「俺じゃダメなんか?」と問いかける大友、勢い余って押し倒して、「大好きじゃ…!」と心の内を爆発させた大友。
 
 
 
悔しくて苦しくて悲しくて切なくて、だけど自分には何もできることがないと、彼女の意思を曲げることはできないと気づいている彼は、目の前で涙を流す夏芽に言います。
 
 
「笑ってよ」と。
 
 
 
それはそれは息苦しい。
 
 
自分のことで泣く彼女の姿なんて、きっと大友は見たくないと思うんです。
 
せめて、せめて彼女にだけは、笑っていてほしい。
 
 
大友のことだから、元カレぶってコウに「夏芽泣かせたら許さん!」なんて言わないと思うんですけど。
 
心の奥の奥にある想いは、そういうことなんじゃないかなぁって、思っていました。
 
 
 
だけど大友のすごいところは、ここからなんですよね。
 
吉幾三さんの曲をフルコーラスで歌って、絶叫して、「がんばれよ!」と彼女の背中を押すんです。
 
 
普通、突然「東京行くから」なんて別れを切り出されて、その後ろに別の男の影がバッチリ見えてたら、そんな風に言えるわけがないのに。
 
 
だけど彼は言うんです。
 
 
 
 
「ありがとう」 「友達じゃ」「がんばれよ」
 
 
 
 
 
ちゃんと、背中を押してあげるんです。
 
 
 
 
だからわたしはどうしても、大友には幸せになってほしいと願わずにはいられません。
 
 
 
だってあいつ、いいヤツだから。
 
めちゃめちゃ優しくて、強くて、かっこいい男の子だから。
 
演じた本人も「大友すげえ」って言うくらい、寛大な人だから。
 
 
いつか、いつかどこかで素敵な人と出会って、素敵な一生を過ごすことができますように。
 
 
 
 
 
 
 
何度も劇場に足を運びましたが、やはりその願いが揺らぐことはありませんでした。
 
ボロッボロ泣いてたけど、一緒に見てくれた皆様も百発百中号泣犯だったのでほんとよかったです!ありがとう!(笑)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
さてさて、のちのち菜奈ちゃんに「すごい緊張してた(笑)」と言われてしまう重岡くんですが。
 
 
女の子と真正面に対した重岡くんの眼差しが優しくて優しくて…
 
まるで割れ物を扱うかのように優しく、キラキラと眩しく光る宝物を見つめるかのように温かく。
 
その笑顔ですべてを溶かしてしまいそうなくらい、目の前にいる女の子を大切に、愛おしく想ってくれているようで、胸が締め付けられました。
(重岡くんってこんな顔するんだぁ……ってニヤニヤしてたヲタクの戯言です)
 
 
 
 
そんなビジュアル的要素もさながら、約5時間にも渡ったあの密室での撮影の中で、間違いなく彼は変化を遂げたと思います。
 
だってあのワンシーンのためだけの、5時間。
 
初々しさを失ってはいけない。
 
集中力との戦い。
 
 
 
 
みんなが言ってた
「シゲは溺れるナイフが終わってから、変わったよね」
って、あの言葉。
 
 
それはきっと「キスシーンをしたから」ではなく、「あの空間を知ったから」なのではないかと思うんです。
 
 
すごくすごく、かっこよくなったから。
まっすぐな男らしさを感じる強い表情を見せてくれるから。
 
前髪なんて、関係なかったんだなぁと。
 
彼そのものが変わったのだと、もう一度この「溺れるナイフ」を見て確信しました。
 
 
 
ほんとに、素敵な作品に出会えてよかったね、重岡くん。
 
 
 
 
 
それから、メイキングも見ました。
 
彼の周りにはいつもたくさんの笑顔があって、ああ素敵だなぁって改めて思わせてくれる映像がいっぱいいっぱい詰まってました。
 
いろいろなところで言われてたけど、やっぱり彼は「陽だまり」そのもの。
 
 
アイドルとしてキラキラしていることは当然と言えば当然なのだろうけど、その役目をちゃんと、お芝居の現場でも果たせている彼はまさにプロだと、改めて誇らしく思えました。
 
菜奈ちゃんや萌音ちゃんに「動きが古い!」と笑われたり、意味不明のナゾナゾを解かせたり、ボウリングのピンになったり……
 
奥の奥から溢れるその明るさが現場を助けていたというエピソードをいろんなところで聞いていたからこそ、そのひとつひとつを映像として見ることができるのは、この上ない幸せです。
 
 
重岡くんと一緒にいる菜奈ちゃん、すっっっごいかわいいもんね!!!!!!
 
彼女の癒しに徹底した重岡くんの男らしさと優しさに、またひとつ惚れ直してしまいました。
 
 
あなたを応援していて、本当によかった!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
中流れる「ハンドメイドホーム」という楽曲に、面白い歌詞があります。
 
 
 
「‪大好きな悪魔と引き裂かれ 王子様とキスをした」
 
 
 
まさに、コウちゃんと大友の間で、陰と陽の中で揺れ動く夏芽そのもののようで。
 
 
 
重岡くんはそんな「王子様」を見事にやりきって見せてくれました。
 
 
 
2015年、夏。
 
私たちの知らないところで、重岡くんは一人全力で挑戦していて。
 
 
そんなあなたの姿を、2016年秋、1年越しに見ることができて。
 
 
暗闇だけで会える君をも、愛することができて。
 
 
 
 
 
 
幸せでした。
 
 
 
 
 
 
 
ありがとう、大友。
 
ありがとう、溺れるナイフ
 
 
 
 
ありがとう、重岡くん。
 
 

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